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2011.10.18 *Tue

421(2011.10.18)

気が付いたら山の葉っぱは、だいぶ秋の色彩に変わってきていました。ときおりビューと吹く、強い北西の風に秋まっただ中を感じます。そしてこの北西の風が吹くたびに、この春のあの忌まわしい出来事を思い出してしまいます。

そろそろきちんと再移住先の住居を決めるために、何度か神戸へ足を運びました。先週は単身で2・3日いってきました。夜行バスで大阪に着くと、宝塚線に乗車。土曜の朝ということもあって、車内は空いておりあわてなくても座席は十分ありました。睡眠不足気味の頭で向かい側の座席の人たちを一瞥すると、無心で携帯電話をいじくっている人が何人もいます。

ご存じのとおり、私はケータイ、嫌いです。まあいろいろ理由はあるのですが昔はケータイを使う人のマナーの悪さでした。傍若無人にあたりかまわず大声でしゃべっている輩をみると、ああいうやつの仲間にはなりたくないと思ったものでした。
今はその点はだいぶ改善されたようで、今いる目の前の人たちはケータイでしゃべくっているということもありません。でも、他のイヤな点は、ケータイのもう一つの機能であるメール・WEBを扱っている時のその人の姿です。街中では普通の光景になっていますから、それほどおかしいと思う人もいないのかもしれませんが、私はケータイをいじくっている人の、あの猫背になった姿勢や顔の表情、なかでも目のなんともいえない虚ろな物悲しい感じがたまらなくイヤです。
中にはかっこよく使っている人もいるのですが、若い人も年寄りも、男も女も、その点についてはほとんどみんなおんなじようなブサイクな姿で必死にあの小さい画面を見つめながら黙々と親指を動かしているのです。私もこれからまた町暮らしをするのですから、必要に迫られて残念ながらケータイを持たねばならないかもしれませんが、アレはイヤだなと今からその点はかなり気持ちが暗いです。

さて、今、向かい側の席に座っている人は、数えてみると・・、この車両には16人いました。その中でケータイをいじっているのは・・、6人。本を読んでいる人が2人。寝ている人が1人。あ、また一人ケータイ出してきた。これで7人、とみていると(こういう実況をしているヒトも気持ち悪いね)、まあおおよそ3人に1人はこうしてケータイをいじっているようです。この傾向は快速列車に乗り換えても、他の路線でもだいたい同じだということが判りました。
今、目の前に座っているユースケサンタマリア似のあんちゃんは、スーツ姿で目の前20センチのところにケータイを構え、気持ちの悪い寄り目でさっきからずっと親指を動かし続けています。その隣の30代くらいの太った女性は、これまた眠そうな悲しい目でやや下向きにケータイを構え画面を見つめています。こんな朝早くから大袋に大量に詰められたマクドナルドのテークアウトを左手で押さえているのですが、その袋の液体モレを時折気にしながらなおも時折親指で操作しています。結局この二人は快速に乗り換えるまでの20分間、ずっとこの姿でした。
もっとも客観的に見れば、深夜バスに揺られ、無精ひげで寝グセ頭の田舎のおっちゃんの、私の方がずっと格好悪かったと思いますが。

2日ほど滞在して再び大阪発の深夜バスに乗るために同じ路線にのりました。客の数は来た時とだいたい同じくらい。例によってケータイ比率をさっと計算するとやはり3人に1人。目の前のカップルは二人でスマートホンをいじりながらなにやらいちゃいちゃしています。
車両の奥の方に目をやると、小太りの50代とおぼしきスキンヘッドの白人男性がなにやら手を動かしています。トランプカードを鮮やかにシャッフルしたり、扇形に広げたりと見事なカード捌きを誰に見せるとなく、ずっとやっているのです。ケータイをいじっている人をみているよりずっとおもしろいので、ちらちら見ていたのですが、他の人はケータイに夢中なのか無関心なのか、あるいは無視しているのかわかりませんが、彼を見る人はいません。スキンヘッドの目の前に座っている小さい子供を連れた家族だけが、それを面白そうに見ていました。やがてカードの山の一番上をめくってクラブの3であるのを見せてから、また元にもどして手をかざすと、またそのカードをひっくり返しました。ダイヤのクイーン。スキンヘッドは子供たちにマジックを披露していました。子供たちは大喜びで、彼はなおもマジックを続けています。
やがてちらちら見ている私に気づいたからなのか、やおら席を立地ち上がり私の目の前のカップルの傍らに立って、今度はコインを取り出してまた手品を始めました。右の手のひらのコインがなくなって、どこにいったのかと思ったら左というくらいのものなのですが、これまた誰に見せるとなくコインマジックをもくもくとやっています。ときおり、いちゃいちゃカップルに見せつけるように手元を動かしているのですが、ケータイとおしゃべりに夢中で全く気づかない様子。

私の偏見ですが、大阪という土地柄を考えると、こういうことには人々はもっと敏感に反応して面白がると思っていたのですが、誰一人として関心を寄せないのが却って気持ち悪い感じもしました。いつの間にか、世の中に目を向けなくなってしまっていたのでしょうか。そんな世間を変えようと、あのスキンヘッドはもくもくと1人マジックをあるいはしていたのかもしれません。

目的の大阪駅のホームに列車が滑り込むと、どうやら彼もここで降りるようでドアの前に立ちました。私も彼に続いて扉が開くのを待ちました。彼は目の前で両の手のひらをドアに向け、鮮やかな手つきで扉にマジックをかけています。やがてプシューと音がして見事にその扉は開きました。スキンヘッドは、まもなく梅田の雑踏にまぎれて見えなくなりました。

私は、少しだけ、この土地に住むのが楽しみになっていました。
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CATEGORY : 近況

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2011/10/20(木) 23:35:08 | | # [Edit

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nekomimi

Author:nekomimi
2001年夏に東京の会社を辞め、農業を中心とする生活をするため福島県会津地方へ移住。
連れ合いと3人の息子、犬のもも、ネコのリンと賑やかな田舎暮らしをしています。

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