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2011.06.19 *Sun

398(2011.6.18)

西日本ではかなり激しい雨が降っているようです。梅雨明け直前の大雨なのでしょうか。こちら東北はまだ梅雨にも入っていないのに。でも週間予報をみると傘マークが並んでいますから、来週から雨の季節になりそうです。

例の震災と原発事故から3か月がたちますが、ご存じのとおり、原発はまだ収束への道が見えていません。にもかかわらずこのところの新聞を見ると、これからの日本の原発をどうしていくのかという視点での記事に紙面が割かれています。

世論調査では、だいたい4割方が反対も含めた慎重派なのに対し、3割くらいが原発をなおも必要と考えています。今回の事故で慎重派が増えたのは当然としても、私が少し驚いているのは、なおも3割の人があれだけの事故が我が国で起こったのにまだ原発に頼らざるを得ないと考えていることです。
フクシマの事故は幸いチェルノブイリほどの甚大な放射能被害がまだ報告されていないからなのかもしれません。あるいは福島に住む私たちほどほかの地域の人はそれほど関心をもっていないからなのかもしれません。今は電気がないと不便な生活になっていますから、必要な電力の確保には多少危険でも原発は必要と、単純に考えているだけなのかもしれません。

その点でよく使われるのが、我が国は発電の3割を原発に頼っている、というフレーズです。この言い方は、電力というものをよく理解しておかないとコロッと騙される表現だなあと私は常々思っています。電事連のホームページから調べてみると、日本の10電力会社の総発電量で見ると2009年で約34%が原子力による発電です。東電だけを見ても32%です。これはあくまで10電力会社の設備からの供給量のみで、工場などでの自家発などは含みませんから、厳密にはもう少しこの数字は小さくなるでしょうが、おおよそ「発電の3割を原発に頼っている」というのは正しいようです。
ただしこの3割というのは、あくまで「総発電量の」というのがポイントです。これは電力を水に例えてみるとわかりやすいのですが、プールに3つの蛇口から水を入れる様子を想像します。1つ目の蛇口は水力、2つ目が火力、3つ目が原子力。それぞれの蛇口のコックをそれぞれ適当にひねって水をだし、1年かけてプールに水を溜めてみたところ、3つ目の蛇口(つまり原子力)から放出された水の量が、プールに溜まった水量のうちの約3割だ、といっているわけです。
問題は蛇口のコックのひねり方です。
電気は基本的に溜められないので、需要と供給は常にバランスしていなければなりません。それが崩れると周波数や電圧が変動してしまい、やがてそれがひどくなると発電設備が壊れないように発電することを止める=つまり停電になるわけです。
ですからそうならないように、たくさん電力を使うときには、蛇口のコックをたくさんひねって開け、あまりいらないときは閉めていく、という具合に常に蛇口の開け具合(開度)をこまめに調整しています。

電力会社は必要な時に必要な電力を供給するために最大の需要に対してある程度余裕ができるように大きな蛇口(発電設備)を作っておき、コックの開度で出る量を調整するようにしています。
震災直後や今回予想される電力不足というのは、(いくつかの発電設備が壊れて動かせないために)蛇口が小さくなってしまい、真夏の昼間のもっとも電力が必要とされる時間帯になるとコックを全開にしても十分な量を供給しきれないという状態です。

話を元に戻すと、1年間にプールに溜まった水の量の3割が3つ目の蛇口(原子力)から放出されたのだとすると、それでは3つ目の蛇口がなかったとしたらプールの水は3割減っていたでしょうか。答えはNOですね。なぜなら1つ目、2つ目の蛇口のコックの開度を大きくすれば補えるかもしれませんから。
実際、東電の発電設備を細かく見てみると原子力がなくても、他の水力・火力が全面復旧すれば、真夏の最大ピークの数パーセントを除けば、今の水力・火力のみで賄うことができるのです。残念ながら真夏の最大ピーク(昔から、高校野球の夏の甲子園決勝の時間が年間電力需要の一番のピークと言われています。ですから、今年は決勝を午前中にやったらどうか、という話がすでにでていますね)だけは、1つ目、2つ目の蛇口だけでは目いっぱいコックを開いても足りません。
でも、裏を返せば、この時間帯だけ少し我慢すれば(ほんの5~6時間のことです。平日昼間の暑い時間帯だけなのです)問題ないわけです。

ここまで考えると、「発電の3割が原発」というのはあくまで発電の「実績」が3割だったというだけのことがわかってきます。ですから原発の稼働を減らしても火力に振り替えれば困らないのです。覚悟すればゼロにしたっていいはずです。

それでも原発を推進したいのはなぜでしょう。

発電コストが安いから?
よく原発の発電コストは火力より安いと言われていますが、それは安くなるように運転されているからです。発電コスト(単価)というのは、一番効率の良い出力(=ほぼ最大出力)で一定で運転すればするほど下がっていきます。原発は基本的に運転を開始したら1年後の定期点検まで停止させず、ほぼ最大連続運転。安い単価になって当然です。電力があまりいらない時には水力・火力の出力を下げたり止めたりしています。水力・火力は原発を一番効率のよい状態で運転させるためにサポートしているようなものです。ですから相対的に水力・火力の発電単価は上がり気味になります。
「原発の発電コストは火力より安い」といったって、原発に勝たないように火力が気を遣いながらレースをしているようなものなので、全く比較になっていません。しかも原発のコストには核廃棄物の処理費用が算定されていません。もちろん、今回のような大事故が起こってしまうと、その処理費用をも計上してしまっては、まったく経済的ではなくなってきます。

地球温暖化を防ぐために、炭酸ガスを減らすため?
確かに発電中に炭酸ガスはほとんどでません。でも発電設備としての発電効率は原子力は低く、そのロスは排熱として海水へ捨てているのでその分余計に海水温を上昇させており、温暖化への対策には必ずしもなっていません。


朝日新聞の全国の知事へのアンケート「原発は将来どうしたらよいか」との質問に対し、選択肢「増やす」「減らす」「現状維持」「やめる」「現状維持もしくは減らす」「どれでもない」があり、我が福島県知事は『どれでもない』と回答しています。これだけのことがあって、それでも「やめる」という回答ができなかったことに全く失望してしまいます。やはり電源立地関連の巨額の補助金や雇用創出という経済的な側面を無視できなかったのでしょう。

でもこれでは経済産業省の思うつぼです。彼らはすでに改めて原発推進への動きを始めているようです。震災3日目に発表された輪番停電も実は国民に原発の必要性を認識させるために急遽なされたとの観測もあるようです。これが本当だとすると、あの深刻な事態のなかですでに原発推進の伏線が張られていたことになります。

以前にもここに書きましたが、東電やほかの電力会社は必ずしも自らの意志で原発を建てているわけではないように私には思えます。「国策」という、過去の政治家が敷いてきてしまった誤った線路に乗ってしまった結果ではなかったのかと思います。

今回の原発事故は甚大な被害を我が国だけでなく、全世界にまで及ぼすこととなり、なおも放射能もれは続いています。この不幸な事故を無駄にしないためにも、少なくとも我が国では原発が1日も早くなくなるように方向を決めていくべきでしょう。

そのためには世論がまだ3割も原発を認めていては、先はおぼつきません。
その3割の人たちの1人でも、もし「発電の3割が原発」という誤解をもとにしているのであれば、ぜひ考え直してもらいたいなあ、と全く読者のいないこのホームページで私は訴えているわけです。
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Author:nekomimi
2001年夏に東京の会社を辞め、農業を中心とする生活をするため福島県会津地方へ移住。
連れ合いと3人の息子、犬のもも、ネコのリンと賑やかな田舎暮らしをしています。

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