--.--.-- *--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2002.05.12 *Sun

32(2002.5.12)

近頃このホームページの更新が締切りぎりぎりになることが多くなり、日曜日になると連れ合いにもっと早くやっとけ、と怒られるのが日課というか「週」課です。ただでさえ下手糞な文章が、時間に追われ更に雑になるので、訪問していただく方に本当に申し訳ないと思っております。

ゴールデンウイークが終わると当地ではいよいよ田植えの季節です。田植えというのは一連の稲作作業の中ではほんの一工程に過ぎないのですが、やっぱりなにか特別なイベントのようです。隣町に買い物に行くと既にちらほら田植えをしている姿が見え、その近くを通りかかると恐らく家族親戚が総動員されているのでしょう、田んぼのクロ(ここでは畔(アゼ)のことをクロといいます)で何人もの人が忙しくあちこち動き回っています。その人たちの表情がなぜかみんな嬉しそうで、やはり田植えというのは農作業の「華」なのだなあ、と感じます。
私たちもほんの少し田んぼをやるので、来るべき田植えに向かってただ今準備中です。ただその準備というのは本当に大変で、あの華やかな田植えの影にこれだけの苦労があんだぞ 、というのはここできっちりお伝えしておかねばなりません。
水田というのは田んぼだけで成り立っているわけではありません。ご存知の通りいつも水を湛えているのですから、どこからか水を引いてくる必要があります。今では特に平野部では農場整備がされ、川からの水がU字溝(ユーじこう(コンクリートの側溝のこと))を伝って入るようになっているのですが、私たちの住む中山間地の田んぼはそうした整備はまだ進んでいません(でも自然の生態系のことを考えるとあの醜いU字溝はよくない)。
このあたりでは、昔から使われている堰(セキ)と呼ばれる水路があり、そこを伝って川から水を引いています。田んぼの脇を流れている川は当然田んぼより低いところにあるので(そうでなければ、いつも水浸しになっちゃう)、ポンプなどを使うのでなければ田んぼの標高よりも高いところ(川の上流)から延々引っ張ってくる必要があります。
今お借りしている田んぼの水源は水路の距離にして2km弱はあります。これはまだ短い方で、20km以上もある堰もこの町にはあります。この堰は地面の土を掘って溝にしている箇所が殆どですから、毎年落ち葉や泥が溜まったり、土砂崩れで壊れたりします。これを毎年雪融けの後に掃除したり修理したりするわけです。この作業をここでは堰上げといいます。
堰上げはこの堰を使って自分の水田に水を引いている人全ての義務となっています。うちの田んぼの堰は3戸が係っているので3人で堰上げ作業に当たります。今年の堰上げでは、今冬の雪が湿って重かったせいで櫓の上にパイプを走らせた箇所が壊れており、その修復も含めて丸1日掛かってしまいました。あいにくの雨の中、壊れた櫓を取り除き、ビニールパイプに詰まった土砂を出し、木の棒で櫓を組みなおし、水路の傾斜に気を付けながら(水源からの傾斜がほとんどないので、ほぼ水平にする必要がある)パイプを組んでいきます。その作業はもはや農作業ではなく、土木作業です。
無事堰から水を確保できても、そこから自分の田んぼまでの水路の掃除は自分一人で行います。水がようやく田んぼまで引けたら、今度は田んぼの水漏れを塞ぎます。ネズミやモグラがそこらじゅう穴を開けていますので田んぼのクロから水が漏れるのです。漏れそうなクロを少し削り、掛矢(カケヤ)という木槌でクロの内のりを叩いて固め、その上に泥を塗って仕上げます。(これをクロ塗り、あるいはクロ取り、といいます)
私たちの田んぼは水路の一番奥にあるので水路の掃除が一番多く、田んぼが小さいとはいえ30mほどクロ塗りしなければなりません。それぞれ一日半を費やすので水の確保だけで丸4日。それに田起し(荒起し)、肥料散布、あらくれ、代かき、オマケにクロの草刈と続き、ようやく田植えの準備が整うのです。もちろん、苗作りも必要です(今年は作ってもらうことにした)。
これだけの作業の末、米を作っても生産者米価は平地の広い水田で作ったものと同じ価格ですから、コストが合うわけがありません。
中山間地では米を作る人が少なくなり、そうなると残された数少ない戸数で堰上げの労力を負担することになるので、そのあまりの労力の負担増に耐えかねて残された農家も全て米作りをやめてしまうという事態も起こっています。
生産コストが安い平野部だけで米を作ればいいじゃないか、というのが「経済原則」かもしれませんが、その平野部に安定的に水を供給し、森林と同様自然のダムの役目を果たしている中山間地の水田も必要だと思うのです。

と、まあいつのまにか長々と堅い話になりましたが、うちの農作業の華は5月25日あたりになります。手植えなので、体験なさりたい方はいらして下さい。
連れ合いが、まだ書けないのかと呆れ顔です。

020512momonchi
ももんちです。
スポンサーサイト
CATEGORY : 近況

COMMENT

Comment Form


秘密にする
 

TRACKBACK

TrackBack List


プロフィール

nekomimi

Author:nekomimi
2001年夏に東京の会社を辞め、農業を中心とする生活をするため福島県会津地方へ移住。
連れ合いと3人の息子、犬のもも、ネコのリンと賑やかな田舎暮らしをしています。

URL ねこのめ ねこのみみ



カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -



カテゴリー



ブログ内検索



リンク



最近の記事



月別アーカイブ



FC2カウンター



Copyright © ねこみみの農的生活記 All Rights Reserved.
テンプレート配布者: サリイ  ・・・  素材: bee  ・・・ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。