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2005.09.05 *Mon

173(2005. 9. 5)

会津では残暑はもう終わってしまったようで、雨の日は肌寒くなってきました。
稲穂も黄色く色づき、収穫を待つばかりとなりました。

私たちの住む集落では、携帯電話を使うことはできません。
いわゆる圏外というやつで、人口カバー率では既に99.9%とも言われ富士山頂でも使える昨今、いまや天然記念物的にめずらしい地域になってきました。

もちろん近くに電波の設備がないこともありますが、ここは谷地なので、余計に入りにくいのです。
テレビの電波さえも危うく、山に共同アンテナを立てている始末ですから。
といっても今やケータイ時代なので、近所の若者は自宅では使えなくても大抵もっているようです。
家の2階とか小高い広場などにいくとピンポイント的にアンテナが1本立つところもあるようで、そこでケータイを空に高く掲げている姿をよく見かけます。

私は東京にいる頃からケータイを持ったことはありません。
なくても特に不便がなかったのと、いつでも人に監視されているような気がしていたからです。
外での通話はもっぱら公衆電話で、ちょっと前まではみんながケータイなので、どんなときでも大抵公衆電話が空いているのがとても便利でした。
ところが、いまでは不採算の電話は撤去され、うちから一番近いのは車で10分以上も行ったところになってしまい、不便になってきました。
かといっていまやケータイをもつ経済的余裕もないし、あってもやっぱり持つ気になれません。
嫌なのはあたり構わず通話する傍若無人な姿やうつむきがちに何かに取りつかれたように小さな画面を見つめ親指を動かしている様子が、なんとも空しい感じがするからです。
近所の若者が見えない電波めがけてケータイを空に向けているのもなんとも悲しい風景です。
テレビが見られたり写真が取れたりお金のやりとりができたりと便利になってくればくるほど、なんだかせせこましくて逆に「豊かさ」から遠ざかっているような気もします。

そのケータイを使わざるをえないアルバイトがちょっとあって、借りて使っていました。
通話やメールは人気のないところでなぜかこっそりと(電波の届く町中ですが)使い、必要のないときはさっさと電源を切ってしまいます。
こちらからかけるときはその場所を選べるからいいのですが、かかってくるのを待っているときはハラハラしてしまいます。
夕方電話かけるから、と予告してくれるのはいいのだけれどそのころは「圏外」の自宅にいる時間。仕方がないので、近所の人に一番近い「ピンポイント」を尋ねて軽トラックで行ってみました。
それまで圏外だったのが、そこにいくと使えるようになっています。人気のないその場所で30分もボーと待っている間、どこからどこまでが使える範囲なのかなあ、なんてひま潰しで画面を見つめていました。
いつのまにか私自身も空しくケータイを空に向けているのに気付き、あわてて軽トラの屋根に放り投げました。
さっきから車1台通らないアスファルトの上に寝転がり、どんよ
りと暗い雲を眺めながら、今の自分の姿が何かに似ていたなあ、としばらく考えていました。そうそう、海で溺れた時みたいに手を伸ばしているのと同じ。
世間と繋がるために電波という空気のありかを探して必至で手をのばしていたのかもしれません(そのあとようやく電話がかかってきたのはいいのだけれど、電波が弱くてすぐ切れてしまうのです。軽トラの荷台に登って使うハメに)。

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nekomimi

Author:nekomimi
2001年夏に東京の会社を辞め、農業を中心とする生活をするため福島県会津地方へ移住。
連れ合いと3人の息子、犬のもも、ネコのリンと賑やかな田舎暮らしをしています。

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